
~空き家を売って介護費用に充てたいとき、知っておくべきポイント~
こんにちは、不動産のオオタニです。
親御さんが認知症になってしまい、介護施設への入所が必要に…。
その費用をまかなうために、空き家になった実家を売却したいというご相談をいただくことが増えてきました。
しかし、認知症などでご本人の判断能力が不十分な場合、親の名義の不動産を勝手に売却することはできません。
そこで必要になるのが、「成年後見制度」です。
この記事では、親が認知症になったときの不動産売却の流れと注意点について解説します。
✅ 成年後見制度とは?
成年後見制度とは、認知症などで判断能力が低下した人に代わって、財産や権利を守る制度です。
家庭裁判所が選任した「成年後見人」が本人の代わりに財産管理や法律行為(売買契約など)を行います。
▼ 成年後見制度の種類
分類 | 判断能力の程度 | 制度名 |
---|---|---|
全くない | 成年後見 | |
特に不十分 | 保佐 | |
一部不十分 | 補助 |
実務ではほとんどが「法定後見制度」です。
✅ 成年後見制度の申立て方法
1. 申し立て
- 申立人:本人・配偶者・四親等内の親族など
- 申立先:本人の住所地を管轄する家庭裁判所
必要書類には、戸籍謄本、診断書、財産目録などがあります。弁護士や司法書士に依頼することも可能です。
2. 審査・面談
家庭裁判所が申立人や本人に対し、意向確認を行います。
必要に応じて医師の鑑定が求められることもあります。
3. 審判・確定
裁判所が成年後見人を選任し、登記が完了すると法定後見がスタート。
一般的に、申し立てから決定までは2〜3ヶ月程度かかります。
✅ 不動産を売却するには「家庭裁判所の許可」が必要
成年後見人に選ばれると、原則として被後見人(親)の財産を管理し、必要に応じて不動産売却が可能になります。
ただし、「親が住んでいた家=居住用不動産」の売却は、家庭裁判所の許可が必要です。
なぜなら、成年後見制度の目的は「財産を守ること」であり、売却が本人の不利益にならないことが求められるためです。
✅ 家庭裁判所への売却許可申立ての流れ
- 売買契約を仮締結(条件付き)
- 以下の書類を添付して裁判所に申立て
- 不動産売買契約書案
- 不動産査定書
- 登記簿謄本
- 固定資産税評価証明書
- 許可が下りるまで約1ヶ月
📌 売買契約には「許可が出なければ無効になる特約」を盛り込む必要があります。
✅ 成年後見制度を活用した不動産売却の注意点
- 通常の売却より時間がかかる(申立て〜売却まで3〜5ヶ月が目安)
- 家庭裁判所の許可が得られないと売却は無効になる
- 売却前にしっかりと査定根拠や必要性を説明できる書類が必要
- 経験のある不動産会社に依頼するのがベスト
📣 不安な方は早めにご相談を
「親が認知症になってしまい、不動産を売れないかもしれない…」
「介護費用のために売却を検討しているけれど、どこに相談すればいいの?」
そんな時は、成年後見制度を理解し、実務経験が豊富な不動産会社に相談するのが一番安心です。
不動産のオオタニでは、地元密着の信頼と多数のご相談実績により、
成年後見制度を使った不動産売却にもしっかり対応しております。
💬 最後に
不動産の売却は「手放すこと」ではなく、「家族の未来のための選択」です。
お困りごとやお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。